パツ子と甘えん坊くん。



「お待たせ、はい小夏のソフト」



そう言ってあたしに渡したのはバニラのソフトクリーム。



真琴は色から見てイチゴのソフトクリーム。



「あそこのソフトクリーム、バニラとイチゴしかなくてさ。小夏、イチゴの加工品好きじゃないでしょ?」



俺はイチゴだけど。
真琴は微笑みながらあたしの隣に座った。



そんなこと言ったことないのに。
でもイチゴの加工品が好きじゃないのは事実。



イチゴそのものは好きだけど、イチゴ味となると好きじゃない。



めんどくさいとお母さんによく言われるこの好き嫌い。



でも真琴はちゃんと知ってて、避けてくれた。
自分はイチゴ味食べてるけど。



真琴はあたしのことちゃんと考えてくれてる。



それなのにあたしは自分で勝手に進んで真琴を連れ回してただけだ。


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