パツ子と甘えん坊くん。



「む、無理!それだけは絶対無理!」



あたしは全力で拒否する。
でもそんな簡単に折れる真琴ではない。



「…今日は遊園地で乗りたいの観覧車しか乗れなかったなー」



ゔっ



解決したはずの傷口をえぐられた。
それ言われたらもう拒否できない。



真琴が主役なんだから、あたしに拒否権はない。



でも決して『うん、いいよ』なんて素直に言わない。



「そ、そんなに1人で寝るの寂しいなら一緒に寝てあげる!あたしは別に1人でも平気だけど!」



腕を組んで、顔を逸らす。
これがあたしのツン発動の体勢。



ツンツンしてても真琴は嬉しそうに「やった!」なんて言ってる。



でもあたしの心臓の鼓動は早くなりすぎて、どうにかなってしまいそうだ。


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