パツ子と甘えん坊くん。



真琴にあれを言うために。



「小夏、今なんか鳴ったけど…」



真琴が口を開いたとほぼ同時に、あたしはゆっくりと真琴の方を向いた。



「…一番最初に言いたかったから…アラーム仕掛けておいた…」



あたしの言葉に真琴はちんぷんかんぷんというように首を傾げた。



言うって決めたんだ。
あたしが真っ先に真琴に言うって決めてたんだ。



目を泳がせながらも息を思いっきり吸う。



「真琴、誕生日おめでとっ!!」



恥ずかしくてまた真琴に背を向けた。
今0時になったから、今日は真琴の誕生日。



0時になったら真っ先におめでとうって言いたかった。



それは達成出来たけど、今更ながらすごく恥ずかしい。



しかも真琴からの反応がない。
もしや失敗?


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