パツ子と甘えん坊くん。
「…小夏、この写真って…」
菜緒が見せてきたのはどこかに挟まっていただろう一枚の写真。
それを見たあたしは驚愕した。
その写真は中学の時に撮った、真琴とあたしのツーショットの写真。
これはあたしの前髪がパッツンになった時にハゲ太が撮った写真。
でもそんなの恥ずかしくて言えないから…
「ちゅ、中学の時に撮ったやつ」
そっぽを向く。頬を少し赤くして。
それに気づいた菜緒の口角が怪しく上がった。
ヤバい、あの笑いは…
菜緒がドタドタとあたしに近づいてきた。
反射的に身体をを後ろに引く。
「中学の時!?そういえば私、中学の時の二人の話聞いてない!」
菜緒は高校から来たから、中学のあたしと真琴のことを知らない。
そして食いつく菜緒の目的はもちろん…