パツ子と甘えん坊くん。



「…夜に電話したら小夏に会いたくて会いたくて、早く来たんだ」



ドキッ



その言い方ズルいよ、真琴。



その甘え声があたしのツンを溶かしちゃうんだから。



腰に回る手に自分の手を重ねる。



「…あ、あたしだって同じだよ、バカ」



小声で言うと後ろからふっと笑う真琴の声が聞こえた。



真琴の甘え声があたしのツンを溶かして、口から出るのは素直な言葉。



それが自分で言っておいてすごく恥ずかしくて、自分が言ってるようには感じないほど。



そしてまた真琴がふっと笑ったのが聞こえた。



「…小夏、耳赤い」



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