パツ子と甘えん坊くん。
踊り場にしゃがみ込んでる少女がいた。
身体を小さく丸めてこっちに背を向けている。
俺にはすぐに誰だか分かった。
「…小夏…?」
呼びかけるとビクッと身体を揺らして反応した。
そして立ち上がってこっちを向いた。
驚いた。
まさかほんとにやってくるなんて思わなかったから。
小夏の前髪がパッツンになっていた。
髪も肩下あったのに、肩につかない前下がりボブになってる。
「…べ、別にあたしはアンタを待ってたわけじゃないから!」