パツ子と甘えん坊くん。
「…すごく似合ってるよ、小夏」
似合いすぎる。
自分で前髪作ればって言ったけど、まさかパッツンにするなんて。
しかも隙間一つないパッツン。
すると小夏は俺に近付いて来た。
「…ほんとに?ほんとに似合ってる?」
出来た前髪を手で梳きながら、上目で聞いてくる。
うん、と頷く。
俺の反応を見た小夏は途端に笑顔になった。
「…ほ、ほんと…?よ、良かった…」
笑顔でホッとしてる。
鼻先が赤い。
どれだけ俺のこと待ってたの?
月曜にまた会うんだから、その時見せればよかったのに。
早く見せたくてわざわざ俺を待ってたの?
小夏が何を考えてるのか、考えるほど俺の胸はギュッと締め付けられる。