パツ子と甘えん坊くん。



言い方に問題があったのに気付いたのか、真琴はまた言い直した。



「ちっちゃくっていうか、痩せたよね?小夏」



あ、そういうことを言いたかったのね。



最初からそう言え!バカ!
ややこしい言い方するな!バカ!



と言おうかと思ったけど、真琴は眠そうな声だったから辞めておいた。



起こしちゃうとあれだし。



てか後ろから抱き締めただけで、痩せたって分かるもの?



そりゃあ毎日こうされてるけど、
痩せてること気づかれるなんて思わなかった。



真琴は寝ボケてそうで意外と鋭いから隠しごとは出来ない。



「…た、確かに少し痩せた。梅雨だと湿気多いし、前髪の調子が狂うから、食欲なくなる」



梅雨は湿気が多くて、折角完璧にセットした前髪が学校に着く頃にはうねってる。



それでテンションがかなり下がる。
そして湿気でムンムンした空気が食欲をなくす。


< 38 / 236 >

この作品をシェア

pagetop