パツ子と甘えん坊くん。
だから梅雨は大っ嫌い。
おまけに風邪もひきやすいし。
すると後ろの真琴が勢いよく顔を上げたのが分かった。
「それだけの理由でこんなに痩せたの!?」
真琴はあたしの顔を後ろから覗き込んできた。
真琴の言葉に少しイラっときたあたしも真琴を見る。
「それだけって何よ!あたしは前髪が命の次に大事なの!そのこと真琴は知っ…」
ふっ
反論してる途中で真琴が急に笑い出した。
え、何?あたし変なこと言った?
しばらく笑っていた真琴は、笑いがひと段落するとあたしを見た。
「…ほんとだ、今日いつもより前髪左にうねってる」
真琴は前髪がうねっていることを指を使って表した。