パツ子と甘えん坊くん。



それを見て、あたしの前髪で笑ったということを理解する。



あたしは恥ずかしくて両手で前髪を隠す。



「見んな!バカ!早く寝ろ!」



顔を赤くしてツンデれる。
そんなあたしを見て真琴はまた笑った。



今日は曇りで特に前髪の調子が悪かったのに、マジマジと真琴に見られた。



真琴の前では完璧な前髪でいたかったのに…。



湿気のバカ。



「でも食欲なくてもちゃんと食べないとまた風邪ひくよ?」



真琴は甘える猫のように、あたしの首筋に頭を寄せてきた。



だからアンタはあたしのお母さんか。
そんなこと言われなくたって分かってるよ。



でも食欲のないものはないんだから、しょうがないじゃんか。



とか心の中で言い訳してみる。


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