パツ子と甘えん坊くん。



まずは菜緒に電話をかける。



『もしもし?小夏?』


「…ゔん、菜緒ぉー」


『ちょ、小夏!風邪ひいたの!?声やばいよ!?』



携帯の向こう側で菜緒が心配してるのが分かる。
声がやばいのは、風邪と泣いたのとが原因。



泣いたことは恥ずかしいから言わずに、風邪をひいたから休むと菜緒に伝える。



『分かった。ゆっくり休むんだよ?放課後にはバ彼氏がお見舞いに行くよ、きっと』



電話の向こう側で菜緒がクスクス笑っているのが分かる。



え、お見舞いに来る!?
ダメだ!お見舞いになんて来たら風邪移っちゃう!



「ダメ!風邪移るから来るなって言っといて!」



プツンと電話を切る。
勢いよく叫んだせいか息が苦しくなる。



これで真琴が風邪をひくことは阻止できた。
後は真琴にも今日休むことを電話しなきゃ。


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