パツ子と甘えん坊くん。
観客席の方に入ればあたしの学校の応援団がすぐ目に入った。
フロアを見れば既に試合が始まっていた。
計画通り。
試合の途中に来れば真琴は試合に集中してるだろうし、気付かれずに試合を見て帰れる。
あとは学校の応援団に気付かれなければ…
「あ!あれ小パツじゃね!?
おーい、小パツ!彼氏大活躍してんぞー!」
計画失敗。
よりによって声が大きいと評判の男に見つかってしまった!
「しー…!大きい声で呼ぶな!バカ!
あと小パツって呼ぶな!」
慌てて駆け寄りそいつの口を塞ぐ。
でももっと大きな声で叫ぶやつがいた。
「小夏来たな!!おーい、バ彼氏!小夏来たよ!」
「な、菜緒!?なんで観客席(こっち)にいるの!?」
「ベンチ入りできるマネージャー1人だから、先輩が入ってんの」
もうだめじゃん!
せっかく一日考えたのに!