パツ子と甘えん坊くん。
いくら前髪がうねるからってマスクを嫌がるよりも、あたしは風邪を引いて真琴に会えなくなる方が辛いから。
もうあんなに離れるのは嫌なんだよ、バカ。
風邪引いたバカはあたしだけどさ。
真っ赤になってるだろう顔を見られたくなくて、また歩き出す。
「…小夏!」
「わっ!?ちょ!?」
大型犬がいきなり背後から抱きついてくれば、小型犬はその重さに耐えられなくて倒れるのは必然で。
って誰が小型犬だ。
背後からいきなり抱きついてきた真琴の重さに耐えられずに、あたしはそのまま地面にこんにちは。
「いきなり突撃してくんな!危ないだろ!バカ!」
「だって嬉しくて……小夏のツンデレ、久しぶりだったから」