パツ子と甘えん坊くん。
お揃い
あたしの前髪が汗で分かれてしまう、そんな季節がやってきた。
「あつ〜い…」
今は夏真っ盛りの夏休み。
セミが朝からうるさい中、あたしは真琴と学校へ向かう。
真琴は暑い暑い言いながら、肩を丸めて前のめりになっている。
真琴はかなりの汗っかき。
あたしも夏はかなり汗をかく。
お互い汗っかき。
それなら…
「暑いなら手を繋ぐのやめたら?」
あたしは繋がれた手を見た。
真琴はあたしの手をガッチリ握っている。
最初あたしは暑いと言って離そうとしたから、今かなりしっかりと握られている。
「手を離すのはやだ。小夏に触れてたいもん」
こいつは余計に暑くなることをサラッと言う。
「もん」なんて可愛く言うのは反則だよ、真琴。
あたしが手を繋ぐのやめれば?と言って拗ねたのか、真琴の指があたしの指を絡むようにして手を繋いできた。