パツ子と甘えん坊くん。
【side 真琴】
「…ん、…」
お昼のチャイムの音で目を覚ます。
気付けばもう正午になっていた。
やば、俺どのくらい寝てたんだ?
斜めになった身体を起こそうとすると、右肩に何かの重さを感じた。
何だと思って右肩の方を見ると、小夏がスースーと寝息を立てて眠っていた。
小夏?小夏も俺に寄りかかって寝てたんだ。
小夏の左手は俺に握られたまま。
暑いからあんなに離したがってたのに。
思わず愛おしくて微笑んでしまう。
そしてふと小夏の右手を見ると、握られていたのはシャーペン。
更に目線を机に持って行くと全て解かれた補習プリントが置いてあった。
また小夏にやらせちゃったな…
周りの補習対象者は次々とプリントを先生に提出して帰って行く。
俺ももうすぐ部活だから帰りたいけど、もう少し小夏の寝顔を見ていたい。
俺は肩を動かさないようにポケットから携帯を取り出す。