パツ子と甘えん坊くん。




もしかしてここまで…



「あのバ彼氏が運んできたんだよ、小夏のこと」



起きた?と言ってやってきたのは、菜緒。
菜緒はニコッと笑ってあたしの隣に腰かけた。



真琴があたしを起こさずにここまで運んでくれたんだ。



真琴のさりげない優しさに胸が熱くなる。



すると菜緒の口から恥ずかしい言葉が。



「にしてもびっくりしたよー。バ彼氏が小夏をお姫様抱っこして体育館にやってきたから。部員全員小夏に釘付けだったよー」



え、お姫様抱っこ!?
真琴おんぶとかじゃなくてお姫様抱っこであたしをここまで運んだの!?



カァと顔が赤くなる。
風邪をひいたときもお姫様抱っこされたけど、今度のは皆に見られたことが恥ずかしい。



真琴ぉ〜!
後で膝裏蹴ってやる!



すると菜緒が付け加えた。


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