パツ子と甘えん坊くん。
「でも小夏がまた風邪をひかないように自分のタオルかけてたよ、小夏のお腹に。だから怒らないであげてよ?」
菜緒はあたしの頭をポンと優しく叩くと、練習に戻って行った。
また風邪をひかないようにってかけてくれたんだ、このタオル。
そんなに優しくされたら膝裏蹴れないじゃんか、バカ。
膝裏は蹴るのをやめて、盗撮した真琴の寝顔写真を見せることにした。
真琴見たらどんな顔するだろうなー。
きっと顔赤くして恥ずかしがって消してよ!とか言うに決まってる。
絶対消させないけど。
今日の帰りが楽しみだと思うと自然と出る、笑み。
そんなあたしに最悪の奴の声が聞こえた。
「…小パツ?何笑ってんの?」