パツ子と甘えん坊くん。



「…ちょっと早く消えてよ、真琴を集中して見れないじゃんか」



フンと鼻を鳴らして腕を組む。
それでもハゲ太は無表情のままあたしを見下ろす。



そしてムカつく言葉が返ってくる。



「…いや、相変わらずチビだなって思って」

「な、何だとー!ハゲに言われたくない、ハゲに!」



また家の猫のお菊のように、シャーと爪を立てて威嚇する。
それでもハゲ太の表情は無のまま。



「そんなこと言うならチビのパツ子にハゲとか言われたくない。しかもハゲじゃないし」



その無表情であたしをからかってくるのが余計にムカつく!



しばらくお互いにガミガミと言い合う。
そして最後は決め言葉で言い合う。



「ハゲはワカメのカツラでも被ってろ!」

「小パツは前髪汗の湿気でうねればいい」



くーーーーー!
ほんと何なんだ、こいつは!


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