*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
きつい視線で睨みつける檀弓と、身を縮めている群雲。



その様子を、灯と四つ子たちがにやにやしながら眺めている。





檀弓は群雲の襟首をつかみ、その口許にくんくんと鼻を寄せた。






「………やっぱり飲んだのね」





「…………す、すまん………」






群雲は平謝りである。



檀弓は盛大な溜め息を吐いた。





「…………ま、しかたないわね。


今日は灯が帰ってきたことだし、特別に許してあげるわ!」





「ほ、本当か!!」





群雲は嬉しそうに懐から碗を取り出した。




「じゃあ、四つ子は連れて帰らせてもらうわよ」



「あぁ、長い間借りてすまなかったな」



「お安い御用よ、いつでも使ってやって」



「そりゃあ、ありがたい」



「じゃあね、灯とごゆっくり。飲み過ぎ注意よ」



「はいよ」







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