*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
檀弓と四つ子が洞窟を出ていった後。
灯がくすりと笑ったのに気がつき、群雲が振り返る。
「………なんだよ、灯」
「いや…………」
灯はまだ可笑しそうにしている。
「………相変わらず、おしどり夫婦だなぁと思って」
その言葉に、群雲は思い切り顔を顰めた。
「なんだよ、夫婦って。
俺と檀弓はただの友人だよ。
もしくは盗賊の頭領と郎党の一人さ」
「あぁ、そうだったな。すまんすまん」
その言葉が本心からではないことは、灯の表情を見れば一目瞭然である。
群雲は「ったく………」とぶつぶつ言いながら、碗に酒を注いだ。
灯がくすりと笑ったのに気がつき、群雲が振り返る。
「………なんだよ、灯」
「いや…………」
灯はまだ可笑しそうにしている。
「………相変わらず、おしどり夫婦だなぁと思って」
その言葉に、群雲は思い切り顔を顰めた。
「なんだよ、夫婦って。
俺と檀弓はただの友人だよ。
もしくは盗賊の頭領と郎党の一人さ」
「あぁ、そうだったな。すまんすまん」
その言葉が本心からではないことは、灯の表情を見れば一目瞭然である。
群雲は「ったく………」とぶつぶつ言いながら、碗に酒を注いだ。