*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
「月の顔見るは、忌むこと」




…………これはね。



月を見て、物思いに耽って嘆くかぐや姫に、召使いの一人がかけた言葉。



『月の顔を見るのは、忌むべきことですよーーー』



昔の人はねぇ。



月をぼんやり眺めていると、月の民に命を縮められちゃうって、考えてたんですって。



だから、美しい月に心を奪われたら、命が短くなる、って信じてたのね………。




………ねぇ、わかった?



月は、とっても怖いものなのよ。




だからね。



いくら、月の光が美しくても。



じいっと見つめたりしたら、いけないのよーーーーー






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