*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
「変って………どういう風に?」





群雲は心当たりがなかったので、首を傾げて訊き返した。




檀弓は「ええっ、本当に気づいてなかったの?」と驚く。






「ここんとこずっと、あの子、変よ。


たしか、三日前………都に仕事に行ったときからかしら。



なんだか、ぼーんやりしちゃって。


ご飯を食べるのも忘れてたりとか。


そして、いっつも皆から離れた所で空を見上げてるの」






すると群雲は、怪訝そうな表情になる。







「………あいつがぼんやりして皆と違う事してるのは、いつものことじゃないか」






その言葉に、檀弓は大袈裟に溜め息を吐き出した。







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