*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
「これだから男ってのは、どうにもならないわね!!」





「またそんな極端なことを………」






呆れたように言う檀弓に、群雲も呆れ顔で返した。




しかし檀弓はまだ信じられないといった表情である。






「ほんとに、男って鈍いのね!!


灯の様子は、いつもと全然ちがうわよ。



同じぼんやりでも、ぜんっぜん!!」






「………そうなのか?」






「そうよ!!


いつもの灯は、いくらぼんやりしてても、常に気を張ってるっていうか………。



感覚を張り詰めていて、自分の縄張りに何かが入ってきたらすぐに気づくじゃない」







「まぁ、そうだなぁ………」







群雲が同意するように頷く。












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