*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
二人は抱き合うようにして身を仰け反らせる。
すると、膳の脚に結びつけてある文が目に入った。
「これは、まさか…………」
汀はおそるおそる、その文を手にとった。
「…………春宮さまのご筆跡でございますわね」
そこに書いてあったのは。
『真澄鏡(まそかがみ)
清き目の人 忘られず
青を眺めて 夜々過ごしけり』
「ーーー真澄鏡のように清らかな瞳の人を忘れることができずに、青いものを眺めて毎夜を過ごしていることだよ。
………といった意味でございましょうか」
露草は汀が理解しやすいように解釈をしてみせた。
すると、膳の脚に結びつけてある文が目に入った。
「これは、まさか…………」
汀はおそるおそる、その文を手にとった。
「…………春宮さまのご筆跡でございますわね」
そこに書いてあったのは。
『真澄鏡(まそかがみ)
清き目の人 忘られず
青を眺めて 夜々過ごしけり』
「ーーー真澄鏡のように清らかな瞳の人を忘れることができずに、青いものを眺めて毎夜を過ごしていることだよ。
………といった意味でございましょうか」
露草は汀が理解しやすいように解釈をしてみせた。