*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
汀の協力で右大臣邸を無事に逃げだした藤波は、その足ですぐに白縫山へと帰った。
到着したのは、すでに空も明るんだころだった。
村に辿りつくとそのまま群雲のところに直行し、灯が検非違使に捕らわれたことを報告した。
なぜ灯と藤波が都へ行ったのか。
そして、なぜ検非違使に捕まるようなことになってしまったのか。
その一部始終を聞かされた群雲は、呆れて物も言えなかった。
その隣で檀弓は、「ほぉら、やっぱり恋煩いだったんだわ」と誇らし気に笑った。
群雲が慌てて黒松を聞き込みにやらせると、灯は牢獄に囚われており、一夜明ければ公開処刑されることが決まったという。
あまりにも急な展開に、群雲は頭を抱えてしまった。
その前で、藤波が焦ったように言った。
「とりあえず一刻も早く灯を牢から助け出して………。
そのあとすぐに、右大臣の六の君を救い出さなきゃ」
到着したのは、すでに空も明るんだころだった。
村に辿りつくとそのまま群雲のところに直行し、灯が検非違使に捕らわれたことを報告した。
なぜ灯と藤波が都へ行ったのか。
そして、なぜ検非違使に捕まるようなことになってしまったのか。
その一部始終を聞かされた群雲は、呆れて物も言えなかった。
その隣で檀弓は、「ほぉら、やっぱり恋煩いだったんだわ」と誇らし気に笑った。
群雲が慌てて黒松を聞き込みにやらせると、灯は牢獄に囚われており、一夜明ければ公開処刑されることが決まったという。
あまりにも急な展開に、群雲は頭を抱えてしまった。
その前で、藤波が焦ったように言った。
「とりあえず一刻も早く灯を牢から助け出して………。
そのあとすぐに、右大臣の六の君を救い出さなきゃ」