*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
紺青の天空に、菜花色の半月が煌々と輝いている。
広大な大内裏は、灯の目でも全てを見渡すことはできない。
ただ、明かりも人の気配も特に多い区画があるのは分かる。
そこが天皇の御所である内裏なのだと思われた。
春宮の御所も、その付近にあるはずだ。
つまり、汀の居場所にだいたいの検討はつけられるのだ。
(…………しかし、遠いな)
灯は目を細めながら思った。
(とにかく、門を突破して中に入らないことには…………)
目を凝らして、警備の手薄そうな場所を探そうとした、その時。
広大な大内裏は、灯の目でも全てを見渡すことはできない。
ただ、明かりも人の気配も特に多い区画があるのは分かる。
そこが天皇の御所である内裏なのだと思われた。
春宮の御所も、その付近にあるはずだ。
つまり、汀の居場所にだいたいの検討はつけられるのだ。
(…………しかし、遠いな)
灯は目を細めながら思った。
(とにかく、門を突破して中に入らないことには…………)
目を凝らして、警備の手薄そうな場所を探そうとした、その時。