*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
「ある夜、宴の松原の近くを通りかかった女房三人の前に、見目麗しい男が突然現れた。
その男に誘われ、林の中に連れられて入った一人の女房が、いつまで経っても出てこない。
不思議に思った他の女房二人が、おそるおそる松原の中に入っていくと………」
「………どっ、どうなったの!?」
糸萩と楪葉がはらはらしたように黒松を見つめる。
卯花も眉根を寄せて息を呑んだ。
「そこには血の海が広がっていて、その女房のばらばらになった手足だけが、残されていたらしい………」
「えぇぇぇっ!!??」
黒松が無表情に語る怪談話に、三人は怯えたように肩を寄せ合った。
「こわい、こわすぎるっ!!」
「絶対に近づかないようにしなきゃ!!」
「いえ、とにかく、見目麗しい男なんかにほいほいついていったりしなきゃいいのよ!!」
「そっ、そうだよね!!」
そんな三人を、藤波は呆れたように横目で見ていた。
その男に誘われ、林の中に連れられて入った一人の女房が、いつまで経っても出てこない。
不思議に思った他の女房二人が、おそるおそる松原の中に入っていくと………」
「………どっ、どうなったの!?」
糸萩と楪葉がはらはらしたように黒松を見つめる。
卯花も眉根を寄せて息を呑んだ。
「そこには血の海が広がっていて、その女房のばらばらになった手足だけが、残されていたらしい………」
「えぇぇぇっ!!??」
黒松が無表情に語る怪談話に、三人は怯えたように肩を寄せ合った。
「こわい、こわすぎるっ!!」
「絶対に近づかないようにしなきゃ!!」
「いえ、とにかく、見目麗しい男なんかにほいほいついていったりしなきゃいいのよ!!」
「そっ、そうだよね!!」
そんな三人を、藤波は呆れたように横目で見ていた。