*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
それを聞いて、汀は満足そうに目を細めた。
「それで………さっきの話は、いったいどういうことなの?」
訊ねられて、群雲は本題を思い出した。
「そうそう。
お前さんの母君は長いこと病気をしていて、大変なんだよな」
「ええ、そうなの」
「しかも父君からの援助がなくなって、食べるものも満足には得られないんだな?」
「…………ええ」
「よし、じゃあ決まりだ。
約束を反故にされた慰謝料として、右大臣邸から金目の物を頂戴しよう。
そして、それを金に換えて、母君に差し上げようじゃないか」
「まぁ………!!」
予想もしていなかった言葉に、汀は口をあんぐりと開いた。
「それで………さっきの話は、いったいどういうことなの?」
訊ねられて、群雲は本題を思い出した。
「そうそう。
お前さんの母君は長いこと病気をしていて、大変なんだよな」
「ええ、そうなの」
「しかも父君からの援助がなくなって、食べるものも満足には得られないんだな?」
「…………ええ」
「よし、じゃあ決まりだ。
約束を反故にされた慰謝料として、右大臣邸から金目の物を頂戴しよう。
そして、それを金に換えて、母君に差し上げようじゃないか」
「まぁ………!!」
予想もしていなかった言葉に、汀は口をあんぐりと開いた。