イケメンの顔面踏んづけた結果。
「やっぱここか」
性悪毒舌根性ひん曲がりサボり野郎、新藤慧は廊下の窓の下・中庭の入り口で呑気に寝息をたてていた。
そう、ここは
(……思い出したくもない)
あたしが新藤慧の顔面踏んづけた場所……。
ここから全てはじまったんだ。
あたしの屈辱の日々が。
ここはどうやらコイツのお気に入りスポットらしく、何度かここで寝ている姿を目撃している。
「新藤慧」
呼んでみる。返事はなし。
「起きろバーカカーバぶたのけつー」
暴言を吐きながら、真上に立って顔を覗き込んでみる。
完璧に寝てるし…
てか睫毛ながっ!鼻高っ!肌なんて無駄にキメ細かいし。
ほんと、顔だけはいいんだから…顔だけは。
そんな無駄にイケメンのアイツの顔を見ていると、なんだか段々ムシャクシャしてきて
「…もっかい顔面踏んづけてやろうかな?」
「絞め殺すぞテメェ」
パチッと目を開けるとともに、奴がそんな物騒なことを言った。