イケメンの顔面踏んづけた結果。
イライラのわけ
「綾世!ご飯たべよー♪」
昼休み、いつも通りきみちんがあたしの席までやって来る。
「いいけど…あたし新藤慧たちとは食べないからね」
「えっ?なんで?」
大袈裟に驚くきみちん。
「なんでって、…昨日アイツにお前イライラするって言われたし?」
こっちだってイライラするし。
お互いイライラしながらご飯食べても、せっかくのご飯がもったいないし!
「ふーん」
きみちんは興味深そうに瞬きをひとつすると
「まぁ、でもあたしは葵くんとご飯食べたいから、綾世も来てよ」
ニッコリ天使の微笑みを浮かべて言った。
「やだよきみちん一人で行きなよ!」
「やーだー」
嫌がるあたしを無視して、腕を引っ張るきみちん。
で。
「………」
「………」
昼ご飯、なう。
「……なんか今日は静かだね?」
杉本葵の言葉にちょっと眉を動かしただけで、何も反応しない新藤慧。
さっきからずっと不機嫌そうに、パンにかぶりついている。