イケメンの顔面踏んづけた結果。
「あー今日も一日がんばったー」
なんて独り言を言いながら、昇降口を出る。
今日も放課後は、学園祭の準備。
小道具班の子のお手伝いをちょっとして。
いつもはきみちんと一緒に帰ることが多いんだけど、なんでも今日はきみちん、歯医者に行かなきゃいけないらしく。一人で帰宅。
「よーい」
パンッ…
乾いた音に、それとなくグラウンドに目を向けると。
「…関口」
関口が思いきりグラウンドを駆け抜けていた。
中学の頃から、100mのエースとして活躍していた関口。
…よく考えてみたら初めてかも。関口がちゃんと走ってるとこ見るの。
一瞬で100mを駆け抜けた関口は、ゆっくりクールダウンしながらグイッと額の汗を拭った。
…風、みたいだった。関口。