イケメンの顔面踏んづけた結果。
何であたしが!
そしてあたしは今
「で、一体どんな汚い手を使ったわけ?」
綺麗な美女さま方に取り囲まれております…in女子トイレ。
「べ、別に手とか使ってないけど…」
「嘘言わないでよっ!」
どうやらリーダー格らしい黒髪美人が、ドンッとトイレの壁を叩いた。
「あんたみたいな平凡女が何で最近慧様とご飯とか食べてるわけ?
ありえない。意味わかんないし」
「ほんとに…」
「…あんたナメてんの?」
キッと黒髪美人の切れ長の瞳が吊り上る。
「慧様にとり込むなんてあんた何者!?」
「別にとり込んだわけじゃ」
ただ顔面踏んづけただけで。
「言いなさいよ。
さもなければそのブッサイクな顔を更にブサイクにするけど…?」
じりじりと般若のような形相をしながら、少しずつその距離を縮めてくる美女さま方。
…確かにあたしはあんたらに比べたらちんちくりんでブスだけど。
あたしだって好きでアイツの奴隷やってるワケじゃないっつーの!!
「っていうかアイツのどこがそんなにいいの…?」
ふと不思議になって聞いてみると
「っあんた!」
なぜか急に逆上した黒髪美人が、そのしなやかな腕を振り上げた。
「さっきから聞いてればナメたことばっかり…!」
やばい殴られる…!とギュッと目を閉じ覚悟した瞬間
ピーンポーンパーンポーン
≪2-C岡綾世。2-C岡綾世。
至急放送室に来い。
2分以内に来なかったら…ぶっ殺す≫
校内中に響き渡った、奴の物騒すぎる殺人予告。