イケメンの顔面踏んづけた結果。
その時、関口の言葉を遮るようにスピードを出したバイクがあたし達の横をすり抜けていって。
「危ないっ」
咄嗟に関口が、庇うようにあたしの肩を抱く。
「ったく、危ねー…」
「ごめん関口、ありが…」
バイクが通り過ぎて、顔をあげたら。
思いがけず、すぐ目の前に関口の顔があって。あまりの近さに思わず息をのんだ。
関口もじっとあたしの顔を見たまま固まっていて。
「あ、悪いっ…」
先に我に返ったのは、関口の方だった。
「ご、ごめん」
はなれた距離に、無意味に前髪を直してみたりする。
び、びっくりした…あんなに男子と近づいたことなかったから…
「…あ、それで関口、何言いかけてたの?さっき」
「あ、あぁ」
関口はポケットに手を突っ込んだり出してみたりしながら
「い、いーや。今は」
「え?いいの?」
「おう、また今度な!」
ポン、と冗談ぽく頭にのせられた手に、クシャッとした笑顔。
「つか岡ちっさ」
「普通だよ」