イケメンの顔面踏んづけた結果。
「し、新藤慧…?」
奴は重々しい黒いオーラを隠すことなくこっちに歩いてくると
「…どういうつもり?」
関口を見据える瞳がスッと細まる。
「…このブスと抱き合ってったって?」
「それは「だったら?」
あたしの言葉を遮ったのは、椅子から立ち上がった関口。
「だったら何だよ?新藤になんか関係あんの?」
挑発するようにそう言う関口に、「え、ちょ、え!?」と一人慌てるあたし。
状況がうまく飲み込めないんだけど!?
「…おまえ、なに?このブスのこと好きなの?」
新藤慧の声が、低い。
「…もし、そうだって言ったら?」
…え?
思わずバッと関口を見る。
うそ…冗談、だよね?関口。
「……別に」
新藤慧がバカにしたように、ハッと笑った。
「どーでもいいけど、最悪だな。お前の趣味」
「何言っちゃってんだか?♪」
重々しい空気に場違いに切り込んできたのは、遠くでニヤニヤしながらそれを眺めていた杉本葵。
「自分だってアヤちゃんのこと抱き締めてたクセに?修旅で♪」
「「え!?」」
一斉に振り返る3年D組女子の皆さん。
なっ…
「おい!葵テメェ!!!」
カッと顔を赤くした新藤慧が、杉本葵に飛び掛かろうとした瞬間
「新藤!」
鋭い関口の声が、それを止める。
「…お前、どう思ってんの?岡のこと。ハッキリ言えよ、今ここで。好きなの?」