イケメンの顔面踏んづけた結果。
「そっか」
「うん、だから関口は何にも悪くないし、全然気にしないで!」
ふ、と窓の外に視線をうつす。
グラウンドを駆け回ってるサッカー部。そのさらに向こうでしごかれているのは野球部。
サッカー部と野球部は部活の中でも特に厳しいから、学園祭の準備期間もふつうに練習してる。
「…あの、さ」
「うん」
なんだか真剣な声色の関口。
「こないだの話の続きなんだけど」
そして立ち止まるから、あたしも同じように立ち止まって、向かい合う。
「俺さ、岡のこと…」
「邪魔」
振り向くと、いつの間にかすぐ後ろに新藤慧が立っていた。
「は?いつからいたの?」
「うるせーな、廊下ふさいでんじゃねーよ」
不機嫌そうに顔を歪めて、あたしと関口の真ん中を引き裂くように歩いていく奴。
そして。
少し歩いて、振り向いた。
「おいブス。お前、もう俺の奴隷クビな」
…は?
唖然とするあたしに、新藤慧は更に続ける。
「クビだから。
…もう二度と俺に近づくな」