イケメンの顔面踏んづけた結果。
理解不能。
「何が“もう二度と俺に近づくな”だよ!!
好きで近づいてたんじゃないし、そっちが勝手に奴隷とか何たら言ってきたんでしょ!?
なのに何でクビとか言われないといけないワケ!?
あーっムカつく!!!」
「…ずいぶんご立腹だねー」
放課後。衣装をつくるきみちんを手伝いながら、盛大に愚痴を零す。
「だってムカつくんだもん!
アイツの上から目線なんとかしてよ!!」
「上から目線なのは、だって慧様だし?しかたないじゃん☆」
「…その慧様っていうのもどーにかしてよ」
はぁあ、と深いため息をつけば、きみちんはニヤリと笑って
「なに?慧様に近づくなって言われたの、そんなにショックなんだ?」
…はい?
「ショックなわけないじゃん!
ただムカつくだけだよ!!」
「ふーん」
変わらずニヤニヤしたままのきみちん。
「まーいいけど、早くそれ縫ってよ。どんだけかかってんの?」
「…だって裁縫苦手なんだもん…」
絆創膏がいくらあっても足りない。