イケメンの顔面踏んづけた結果。
「あっ慧様!ちょっといいですか!?」
その時そんな女子の声が聞こえて、視線を向ければ衣装班の村谷さんが、作りかけの衣装を新藤慧に当てているところだった。
「わぁっちょうどいい♪」
嬉しそうに歓声をあげる村谷さんと、「…あっそ」と興味なさげに呟く新藤慧。
「絶対いいの作りますんで、もうちょっと待っててくださいね!」
「別に待ってねーし」
相変わらず無愛想だけど、新藤慧が女子と会話をしているところを見るのは新鮮で。
いつもはそのオーラだけで近づいてくる女子を粉砕してるからね。
と、
不意にバチッて、視線がぶつかった。
瞬間、まるで朝一でゴキブリを見たような顔をしてあたしから視線を逸らす新藤慧。
感じわっる!!!!
でもいつもは何かしら言ってくる新藤慧が今日は何も言ってこないから、仕方なくそのまま教室を出ていく奴を睨みつける。
あぁー…なんだこの感じ。
なんてゆーか、消化不良。