イケメンの顔面踏んづけた結果。
「っわ「声出すんじゃねーよ」
耳元で聞こえた低い声に勢いよく振り返ると
「し、新藤慧!?」
「だから声出すんじゃねーよ」
不機嫌にそう言ってドカッと近くにあったダンボールに腰かける新藤慧。
連れ込まれたのはセット裏の、表からは見えないちょっとしたスペース。
どうやらコイツここでサボッてたらしい。
「何やってんの!?仕事しなよ」
「うるせーな奴隷の分際で命令すんな」
「お生憎さまー。もうアンタの奴隷じゃありませんからー」
イッと歯を見せてそう言ってやると、グッと奴が言葉に詰まった。
勝った!!!
「…何そのドヤ顔。きっも」
「キモいのはもともとなんで。じゃーあたし行くから。
ちゃんと仕事してよね!!」
最後にそう念を押して背を向ける。
こいつは一応うちのメインなんだからサボられたら困る…
「…ほんとにアイツとまわってんのかよ」
呟くようなそんな声に、思わず足を止めた。
振り向くと、そっと視線をあげた奴と瞳がぶつかる。
「…悪い?」
「…別に。全然。つーか関係ねーし」
ふっと視線を逸らす奴。
「…うん、関係ないよ。この前も言っ「でもイラつく」
再びぶつかった奴の瞳は、明らかに怒りが宿っていた。