イケメンの顔面踏んづけた結果。
パンダじゃない!
あれからというもの
「見ろよ、あれが新藤慧の…」
「何であんな女が!最低!」
…あたしは日本に来た初めてのパンダ状態だ。色んな意味で。
男子は怖がってあたしに近づこうとしないし。
女子は遠巻きに容赦ない嫉妬の視線を浴びせてくるし。
他クラス他学年からもギャラリーが殺到してるし…
あたしが学校で話せるのは新藤慧と杉本葵と、あと…
「いいなぁ綾世!ほんっと羨ましい!!」
…親友のきみちんだけ。
きみちんだけは唯一、あんなことがあった後も、あたしに変わらず接してくれている。
ただ口を開けば羨ましい!慧様かっこいい!しか言わないけど…
「ねぇきみちん。何であんな男がいいの?」
確かに顔はちょーっといいかもしれないけどさ?
「わがままだし自己中だし俺様だし口悪いし…人間として腐ってるよ奴は!!!」
「…誰が腐ってるって?」
…奴のタイミングはいつも絶妙。
「ほんとお前…俺にそこまでボロクソ言った女はお前が初めてだ」
低い声に振り返ると、額に青筋が浮き出ている新藤慧が立っていた。