イケメンの顔面踏んづけた結果。







バカだ。





何思い出してんのあたし。





あんなキス。絶対ただのアイツの気まぐれで深い意味なんてない。絶対ない。「きっっも」とか言われたし。



…なんて。




昨日の夜散々言い聞かせたはずなのに!!!





「…おはよ!岡!」



「え!?あ、お、おはよー…」




今日も関口は爽やかで。



…でも、どこか緊張したように席に着いたのは、たぶん気のせいじゃない。






昨日、あの後。



関口は「返事は今すぐじゃなくていいから、考えてみて欲しい」と言った。


あたしはぎこちなく頷いた。


そして「遅くなったから家まで送る」とも言った。


でも、それは丁重にお断りした。




…一人で考えたかったから。




でも、学校から家までのわずかな時間に、答えなんて到底出るはずもなくて。




それどころかずっと友達だと思ってた関口が、あたしのことを、す、好きだなんて





…それすら実感が湧かないまま。






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