イケメンの顔面踏んづけた結果。
…関口はいい奴だ。
関口みたいないい奴に好きになって貰えるなんて奇跡だと思う。
でも
「アヤちゃん」
いつの間にかきみちんとのデュエットを終えていた杉本葵が、あたしの隣にドカッと腰かけた。
「歌わない?♪一緒に」
「あー…いいや」
あたしが断った瞬間、「葵うたおー!!」杉本葵を取り囲む大勢の女子たち。
あー…モテる男は大変だ。
そんなことを思いながら、部屋を出る。
外に出ると、中の賑やかさが嘘のように静まり返っていた。
「はぁー…」
ため息をついて、生け垣に腰をおろす。
…星が綺麗。
明日は晴れだなー…
「…岡?」
ふ、と振り向けば心配そうな関口が立っていた。
「どうした?体調でも悪い?」
「…いや…そういうわけじゃ。ごめん。ありがと」
そっか、と関口が頷いた。
「…俺中戻ってるな?」
「…関口」
呼び止める。
今しかない。