イケメンの顔面踏んづけた結果。
「……関口…ごめん。
あたし、関口とは友達でいたい」
一瞬、関口の頬が強張ったのが分かった。
「…ごめんね。
関口のこと好きだよ。でもそれは…親友として。
関口とは親友として、ずっと何でも言い合える関係でいたい」
…ふー、と関口が息を吐き出す。
「…そっか」
「……うん。ごめん」
「謝りすぎだよ、岡は」
ハハッと関口が、俯きながら笑う。
「それは…新藤のことが好きだから?」
「新藤慧は関係ない」
あたしはハッキリした声で言った。
「関口があたしと新藤慧のこと、どういう風に思ってるのか分からないけど…
誰が好きで、誰が嫌いとかじゃなくて。
あたしは関口と友達でいたいって思った。…それだけだよ」
「……そっか」
ずっと俯いていた関口が、やっと顔をあげた。
「…うん。わかった。もういいよ」
そうしてゆるりと、笑う。
「スッキリした。はっきりフッてくれてありがとな。
…これからも友達として、よろしく」
…あたしは差し出された右手を握る。
「…うん」