イケメンの顔面踏んづけた結果。
「っていうかあたし、あんたに聞きたい事あるんだけど」
新藤慧がいない間、絶対聞くって決めていたこと。
「…あのさ…」
でもいざ聞くとなると、なんだか言葉に詰まってしまって。
「…なんだよ」
痺れを切らしたように新藤慧が言う。
「…だから!学園祭の日…」
しかし全てを言い終わる前に。
突然あたしの腕をつかんだ新藤慧が、グイグイ引っ張ってそのまま今来た道を逆走し始めた。
「っは!?なに!?」
「来い」
「来いって学校は!?」
「知らねー」
知らないわけあるかっ!!!
そのまま校門前に待機していた見覚えのある高級車に押し込まれ、
「お久しぶりです」
運転席には
「菊池さん!!」
「体調はよくなりましたか?」
「はい、あの節は大変お世話に…「出せ」
隣に乗り込んできた新藤慧の低い声に、音もなく車は走り出した。