イケメンの顔面踏んづけた結果。
「…っていうかお前」
前を向いたまま、あたしの方は見ずに新藤慧が言った。
「…あいつと何かあった?」
「あいつ?」
「だから…関口だよ!どーせ告られたりしたんだろ?」
え!?
「なんで分かるの!?」
「…やっぱ告られたのか…」
そして忌々そうに顔を引きつらせる。
「で?」
「で?」
「いちいち聞き返してくんじゃねーよ面倒くせぇ!
だから…あいつと付き合ってんのか!?」
新藤慧がやっとあたしの方を見た。
視線がぶつかる。
「…付き合ってないよ。
確かに告白はされたけど、断った。
関口とは…ずっと友達でいたいって」
ピクッと僅かに肩を揺らした新藤慧は
「…あっそ」
それだけ言って、再び窓の外に視線をうつした。
…ねぇ…なんでだろ。なんでかあんたが、ホッとしてるように見えるのは…
ただの気のせい?
それとも
「…新藤慧。
なんでキスしたの?」