イケメンの顔面踏んづけた結果。
「…また、同じようにするんですか?兄貴の時と」
慌てるあたしとは対象的に、驚くほど静かな声で新藤慧が聞く。
お父さんがスッと目を細めた。
「……なんて、冗談ですよ」
口元を不自然に歪める新藤慧。
「安心してください。こいつとは、全然そんなんじゃありませんから」
「…そうか。なら何の問題もないな」
お互い視線を逸らし、まるで何事もなかったかのように、再び食事が始まる。
ただ、空気はとても重く、どことなく不穏で…
結局、せっかく出された食事は、あまり喉を通らなかった。