イケメンの顔面踏んづけた結果。





突然の新藤慧の登場により、最悪な気分で始まった補習は




やっぱり補習というだけあって、先生もいつもより倍丁寧に、ゆっくり説明してくれてるのは分かるんだけど…



それでもついていけてないあたしって…





「じゃぁここの答えを…岡。言ってみろ」



「え!?あたしですか!?」



「早くしろ」




面倒くさそうに先生が頭をボリボリ掻く。




そんな、早くしろって言われても…
全然分かんないし…




どうしようどうしよう、と一人で焦っていると




「6x-2y」




後ろから囁くようなそんな声が聞こえて、あたしは何も考えずにそのまま




「6x-2y!」




と叫んだ。





瞬間、先生の顔が歪む。




「全然違う。何を聞いてたんだお前」




え!?ウソ!?




後ろからはクククッ…と押し殺したような笑い声が。




コイツ…





「あんたわざとでしょ!?」



「あ?こんな問題も分かんねーお前が悪いんだろ、バーカ」






振り向けば、心底バカにしたように笑う奴。





「だからってわざと違う答え教えなくてもいいでしょ!?」



「信じるお前がバカなんだろ、バーカ」





うっざ!!





「おい岡」




新藤慧を睨み付けるあたしに、先生が静かな声で言った。




「補習に集中しろ。留年にすんぞ」



「留年!?」




そんなことになったら親に殺される!!




「留年になりたくなければ今すぐ前を向け」




「…はい…」




何であたしばっかり!!!







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