イケメンの顔面踏んづけた結果。
杉本葵的、考察。
今、目の前にイライラしてる男が一人。
「ったくあのブス、ブスのくせにイチャついてんじゃねーよブスが」
…悪口レベルはいつまでたっても小学生・新藤慧だ。
慧の視線の先には、隣の席の関口と仲良さげに喋るアヤちゃんの姿。
「あーイライラするっ!!」
そして自分の机の脚を乱暴に蹴る。
おかげで机の上に座ってた俺は落ちそうになった。
イライラするのは分かった。だがモノにあたるのはヤメろ。
「慧さぁ、何をそんなにイライラしてんのー?」
ため息混じりにそう聞くと、「はぁ!?」と怪訝そうな瞳が返ってきた。
「そんなの決まってんだろ!
あのブスが、身の程も弁えずに男とイチャついてっからだよ」
「はぁ…要するに、アヤちゃんが他の男と話してるのが気にくわないだけだろ」
「あぁ?」
「別に…」
あーほんとに疲れる。だから嫌だ、鈍感って。
「慧、アヤちゃんのこと好きだろ?」