イケメンの顔面踏んづけた結果。
「ちょっきみちん声デカいから!!!」
「だだだって、え!?何それいつの間に!?」
「……学園祭の時。
なんか分かんないけど、急に」
「……綾世」
きみちんは自分を落ち着けるように、深呼吸を一つすると。
「何で教えてくれなかったの!?!?」
あたしの肩をつかみガクガクと揺らした。
こっ昆布おにぎりが出るっ!!!(本日の昼食)
「ごっごめん!!なんかあたしもビックリしすぎて、何が何だか分かんなかったっていうか…」
「もう!そーゆーのは逐一報告してよね今度から!で!?」
「…で?」
やっと肩を揺らすのをやめてくれたきみちんが、まるで取調官のように厳しい眼差しで腕を組む。
「その時なんか言われなかったの?」
「えぇ…なんかって別に…
ただ、お前イライラするって言われて…黙って傍にいろ、って…」
…ヤバい。なんか自分で言ってて恥ずかしくなってきた。
「でっでも、その後真顔で“きっっも”って言われて、さっさとどっか行っちゃって…ってきみちん?聞いてる?」
…腕を組んだまま放心状態のきみちん。
「おーい、きみちん?」
「…っあんたそれ!!
告白されてんじゃん!!!」
突然立ち上がったきみちんの声が、再び教室中に響き渡った。