イケメンの顔面踏んづけた結果。
「つーかお前」
イライラしているあたしに、同じくイライラした声の新藤慧。
「お前…い、言っただろあの事」
「は?あの事?」
「だ、だから!れ…例のあの事だよ」
例のあの事…?
「何それ?意味わかんない」
「だから!!い、言っただろあの…ナントカとか言う友達に」
はぁ?ナントカ?
「何言ってんの?」
あまりの歯切れの悪さに、ただでさえ募っていたイライラが更に倍増。
「だから!!!」
新藤慧は急に大声を出して、乱暴に地面を蹴ると
「キスのこと言っただろ!?」
「!?」
ナイスタイミングで前から歩いてきたおばさんが、新藤慧の大声に「あら♡」という顔をした。
「ちょっと!やめてよ大声で!!!」
「うっせーなお前が早く理解しねーのが悪いんだよ!!」
「あんたの伝え方が悪いんでしょ!!!」