イケメンの顔面踏んづけた結果。
翌日
あたしはお母さんと廊下を歩いていた。
なぜなら三者懇談があるから。
高校3年生たるもの、そろそろ本気で進路を考えていかなければならない。
「あー…先生に何言われるのか…緊張するわぁ」
なぜか物凄く緊張しているお母さん。
「どうしよう…お子さんが行ける大学はどこにもありません、なんて言われたら」
「いや…いくらんなんでもそれはないでしょ」
…たぶん。
その時、教室前の椅子にどこかで見た事のある厳格な横顔が目に入った。
「…あ」
その隣には…
「あら!慧くん!!」
「…どうも」
立ち上がった新藤慧が頭をさげた。
「…ど、どうも…こんにちは」
あたしも新藤慧のお父さんに、ぎこちなく挨拶をする。
…あたしの前、新藤慧んちだったんだ…。